なんでもできる、わけじゃない。
なんでも知っていて、なんでもできる。それを「全知全能」っていうよ。でも古事記の神様たちは、そんなふうには描かれていないんだ。迷うし、怒るし、約束も破っちゃう。うまくいかなくて、誰かに助けてもらうこともある。
「ちょっと、何してるの!」ってツッコミたくなる場面もあるよね。思わずくすっとしたり、応援したくなったり。すごい力があるのに完璧じゃない。そこが、ちょっとかわいく感じるところかも。
一神教で語られる、ただ一つの全知全能の神とは、違う姿が見えるね。ただ、海外にもギリシャ神話のように、失敗する神々の話があるよ。「日本の外は全部同じ」とはまとめず、それぞれの物語を見ていこう。
KAMIとGodの違いも、のぞいてみる ↗ちょっと、スポ根ドラマみたい?
失敗して、助けられて、もう一度やってみる。仲間と出会って、できることが増えていく。そんな場面をたどると、古事記は成長ドラマとしても読めるんだ。大国主の話なんて、ピンチからの連続だよ。
もちろん、全部がハッピーエンドではないし、頑張れば必ず成功する、という本でもない。「このとき、どうしたんだろう?」と、神様たちの選び方を見てみよう。今の自分が、次の一歩を考えるヒントになるかも。
ここからは、物語を今の暮らしに重ねる、このサイトの読み方の一つだよ。
困ったとき、神様たちはどうした?
01 / イザナキ・イザナミ
うまくいかない? じゃあ、聞いてみよ。
物語では
国を生む二人は、最初からうまくいったわけじゃない。天の神様たちに相談して、声をかける順番を変え、やり直すんだ。
今の自分と重ねるなら
ひとりで「もう無理!」ってなる前に、相談してみる。準備や順番を見直す。それも、次へ進む一歩だよ。
今、誰に相談できそう?02 / アマテラスと、岩戸の前の神々
ひとりで無理なら、みんなの出番。
物語では
アマテラスが岩戸に隠れて、世界が暗くなる。そこで神様たちは相談。踊る神様、言葉をかける神様、力を使う神様。それぞれの出番が、戸を開くことにつながるんだ。
今の自分と重ねるなら
全部ひとりでできなくても大丈夫。自分の得意と、誰かの得意を持ち寄ると、できることが増えるかも。
自分と友だち、それぞれの得意は何?03 / スサノオ
やらかした、その先は?
物語では
天の世界で乱暴をして、追い出されたスサノオ。でも、出雲では困っている家族と出会い、工夫してオロチを倒す。さっきまでと違う顔が見えるよね。
今の自分と重ねるなら
悪いことを「なかったこと」にはできない。でも、その後どう動くかは考えられる。失敗した自分で、ずっと止まらなくてもいいんだ。
次は、どんな行動を選びたい?04 / 大国主と、支える神様たち
助けてもらうのも、前に進む力。
物語では
命をねらわれたり、難しい試練に出会ったり。大国主はピンチだらけ。母やカミムスビ、スセリビメの助けを受け、国づくりではスクナビコナと力を合わせるよ。
今の自分と重ねるなら
「全部、自分の力で」が成功の条件じゃない。助けを受け取って、今度は誰かと一緒にやってみる。そんな進み方もあるよ。
最近、助けてくれた人は誰?順番を変えたら、うまくいった。
そこから、何を読む?
国生みでは、初めにイザナミから声をかける。その後、二人は天の神様たちに相談し、男神のイザナキから声をかけるよう教えられて、やり直すんだ。声をかける順番が、この物語では大切にされているよ。
ただ、この場面には、昔の結婚の儀式や、男女についての考え方も入っている。だから「今も男性から誘わなきゃダメ」という決まりにはしないよ。このサイトでは、「うまくいかないとき、相談して手順を見直す」というヒントとして読んでみたい。
ヒルコのことも、大切に読もう。
ヒルコを船で海へ流す、つらい場面もあるんだ。古事記は、その体の様子を詳しく説明していない。日本書紀の別の伝えと、区別して読む必要があるよ。
この神話を、現実の子どもの障害や病気が親の振る舞いで決まる、という説明にはしない。生まれた子を「失敗」と呼んだり、命を捨てる行いを手本にしたりもしないよ。「なぜ、こう語られたんだろう?」と、昔の考えを知りながら、今の自分でも考えてみよう。
後の信仰で、ヒルコと恵比寿さまがつながる話へ ↗自分たちの国の物語、
知ってたら、ちょっと面白くない?
近所の神社、お祭り、地名。その先をたどると、古事記の神様に出会うことがあるよ。昔の人が、この国の始まりや自然、家族をどう語ったのか。知るほど、いつもの景色に物語が増えていく。
神様たちは、迷ったとき何を選んだ? 誰の声を聞いた? その選び方にうなずく日も、「自分なら違うかも」と思う日もあっていい。古事記は、日本で受け継がれてきた考え方を知る、大切な入口の一つなんだ。
日本人みんなの性格が一冊で決まるわけではないし、神話と、資料で確かめる歴史には違いもある。それでも、自分たちの文化を自分の言葉で話せたら、ほかの国の文化との違いや共通点も見つけやすくなるよ。
このサイトは、占いをきっかけに、神様の名前と物語を知ってもらいたい。小学生も、中学生も、大人も。「古事記って、意外と自分にもつながるんだ」と思える入口を、一緒につくっていきたいんだ。